こんにちは、クマ師です。
車や住宅を購入するときのローン金利ってどうやって決まっているかご存知でしょうか?
今回は金利の決まり方について解説してきますので、是非参考にしてみてください。
そもそも金利とは?
みなさんもお金が必要になったときに銀行などからお金を借りることになりますと思います。
銀行はボランティアではないので、タダでお金を貸す訳にはいきません。銀行はお金を貸す見返りとして「利子」を受け取ることで利益を出すのです。
この利子の金額は、貸し出したお金に対する割合で決まります。この割合を「利率」と言い、1年間の割合は「年利」と言ったりします。
100万円貸し出したとして、年利1%の場合は1年間の利子は1万円、といった具合です。
金利は、この利子と利率の両方のこと指す言葉です。ただし、現実的には利率を指す言葉として金利が使われることの方が多いです。
余談ですが、皆さんが銀行に預けているお金にも利子がついていると思いますが、あれは皆さんが銀行にお金を貸していることになるからです。
一人ひとりの預貯金額は小さくても、それが集まれば数百臆、数千億といった額になっていくので、そのお金を利用して銀行は様々な企業にお金を貸して利益を得ているのです。
つまり、銀行が企業に貸し出すお金は皆さんの貯金から使われているので、銀行が事業を行うためのお金を皆さんが貸し出している、ということになるのです。
その見返りとして、皆さんに利子が払われているのです。(現在は雀の涙ほどの利子しか払われませんが・・・)
ちなみに、この金利は
銀行の調達金利+経費+利益+貸倒れリスク
を基に計算されます。
金利は需要と供給のバランスで決まる
金利が決まる基本的な要因は需要と供給のバランスです。
需要(お金を借りたい人)が供給(お金を貸す人)を上回れば、金利は高くなります。お金を借りたい人は多少金利が高くても借りようとするので、金利が上がっていく訳です。
しかし、あまりにも金利が上がりすぎると、「そこまで金利が高いなら借りるのやめるよ。。。」となるので、ある程度のところでバランスします。
逆に、需要が供給を下回れば金利は下がります。お金を貸す側は、借りる人がいないと利益を得られないので、金利を下げてでもお金を貸そうとします。利益がゼロよりは、少しでも利益が出た方がマシだからです。
しかし、あまりにも金利が下がりすぎると、経費などを考慮したときに利益が出なくなるので、ある程度のところで「これ以上は金利は下げれません!」となり、バランスする訳です。
ここで、需要と供給で金利が決まっていると言っても、ある程度の基準がないとどのくらいの金利が良いのか判断できないですよね。
その基準は貸出期間が「短期」か「長期」かによって変わります。
短期金利の指標
「短期」とは、お金を貸してから返済までの期間が1年未満の取引のことです。
この短期取引には、銀行だけが参加できるインターバンク市場というものがあり、さらにその中に超短期の取引を行うコール市場があります。
このコール市場では、「無担保コール翌日物」という翌日が期限となっている取引の金利があります。
この無担保コール翌日物が短期金利の指標となっていて、これに連動して他の短期金利が動くことになります。
ちなみに、無担保コール翌日物は日銀がコントロールしています。
日銀は銀行から国債などを買い取ったり、逆に売ったりすることができます。
日銀が銀行から国債を買い取った場合、日銀から銀行へお金が流れますので銀行にはお金がたくさんある状態になります。
そうなると、銀行は手元にお金があるので他の銀行から借りる必要がなくなり(お金の需要がなくなり)、無担保コール翌日物の金利は下がります。
逆に、日銀が国債を銀行へ売ると銀行には現金がなくなるので、他の銀行から借りたいという需要が高まり、無担保コール翌日物の金利は上がることになる訳です。
ちなみに、短期金利は住宅ローンなどの変動金利に影響を与えます。
長期金利の指標
「長期」とは、お金を貸してから返済までの期間が1年以上のことを言います。
長期金利は「10年物国債」の利回りを指標としています。10年物国債とは償還残存期間が10年の国債のことです。
長期金利は短期金利に将来の予想を加味して受給バランスが決まります。
景気が上向いてくると、お金を借りたい人が増えるので短期金利が上がります。
そうすると、新しく発行される短期国債の利率も高くなります。国債の利率を高くしないと、銀行は企業や個人などへの融資の量を増やして国債を買ってくれなくなるからです。
そうなると、長期国債を買うよりも短期国債を買った方が得なので長期国債は売られ、長期国債の利回りがよくなることで結果として長期金利も上がるのです。
また、長期国債利回りよりもインフレ率の方が高い場合も長期国債は売られやすいです。
例えば、長期国債の年利が1%でインフレ率が2%とすると、毎年1%ずつお金の価値が目減りすることになります。
すると、株式などのリターンが大きそうな商品へお金が流れるため長期国債は売られ、長期金利は上昇します。
他にも、他国の長期国債利回りが高い場合、日本の長期国債を持っているよりもそっちを買った方が得なので、日本の国債は売られ金利が上がります。
このように、長期金利の場合は、世の中の様々な要因が関係して受給バランスが決まっていくのです。
まとめ
金利の基本事項について解説してきました。
短期金利は「無担保コール翌日物」を指標としていて日銀にコントロールされている、
長期金利は「10年物国債」を指標としていて、世の中の状況に合わせて需給バランスが決まる、
ということを覚えていただければと思います。